私たちがPI診断を開発した背景には、「似合う」を伝えるだけでは終わらない、“その人らしさ”を大切にしたいという想いがありました。
17年前、私自身がパーソナルカラーや骨格診断を用いたイメージ戦略・イメージコンサルティングを提供していた当時、診断という手法は少しずつ一般にも広まり、とくにカラー診断は高い関心を集めていました。
毎月10〜15名のお客様を診断する中で、似合う色や素材、柄を伝えることにやりがいを感じながらも、次第に「何かが足りない」と感じる場面が増えていったのです。
たとえば、お客様が「好き」と感じていた色が診断上では「似合わない」と出たとき、ふと浮かぶ寂しそうな表情。その瞬間に、私は気づき始めていました。診断の結果に「らしさ」が反映されていない——その違和感こそが、原点だったのです。
外見は、単に服やメイクの“正解”を身にまとうことで完成するものではありません。ほんの少し「外す」ことで生まれる余白や、個人の価値観・ライフスタイルがにじみ出るようなスタイルこそが、人の印象を深く魅力的にするのではないかと。
ナチュラルな感性を大切にしている人に、理論的に似合うとされるビビッドな色をすすめる。控えめで人を支えることに喜びを感じる方に、強さや明るさを前面に出すファッションを提案する。
そうした“似合うのに違和感がある”瞬間が積み重なるたびに、「その人の“らしさ”を軸にした印象づくり」が必要だという確信が強くなっていきました。
そしてちょうどその頃、社会全体でも多様性や自分らしさが重視される時代へと移行し始めていました。「らしくあること」にこそ価値がある。そんな考え方をベースにしたアプローチをサービスとして形にしたい——その想いが、PI診断の開発の出発点となりました。